2008 Fiscal Year Annual Research Report
HARDI TRACTOGRAPHYとfMRIによる脳神経外科手術支援診断
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19790857
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 雄一 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (70420221)
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Keywords | 脳・神経 / 臨床 / MRI / 拡散強調画像 / fMRI / HARDI / tractography |
Research Abstract |
本研究は、MRIを用いて脳白質神経走行を描出するtractographyの関心領域として、脳機能画像であるfMRIの賦活部位を用い、局所機能に特化した脳白質神経走行描出を目的としたものである。 拡散テンソルtractographyとfMRIを併用した方法による脳白質神経分離の手法ならびに精度検証から得られた有用性を発展させ、テンソル解析では表現困難な脳白質神経走行を、HARDIを用いることで表現できるか試みた。 画像の信号雑音比向上のため、3.0Tでの撮像を行った。拡散強調画像は、HARDIの先行研究の条件(FSLに記載されている参考条件)で撮像を行い検討した。対象は健常人男性5名。FSLを用いて皮質脊髄路を描出した。テンソル解析では、上縦束を乗り越えることが困難なため、顔面などの脳白質神経走行を描出することができなかった。一方HARDIでは、FSLの初期値の条件で表現可能な症例もあった。しかし全例ではなく、描出結果が閾値などの条件設定により大きく異なった。 同様にfMRIの検討も3Tで行った。対象は健常人男性5名。描出対象は一次運動野(顔、手、足)である。こちらは様々な条件で撮像を行い、最適化することができた。本研究では画像分解能は4mm×4mm×4mm、マトリックスは64×64、タスク施行時間は30秒が最適という結果を得た。そして全例で各運動機能を示す賦活部位を得ることができた。 HARDIは、テンソル解析に比べ複雑な神経走行を表現できる利点はある。しかし、描出精度が安定せず、条件に依存してしまうため更なる検討が必要である。HARDIの条件の最適化を行い、本研究を継続する予定である。
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