2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージングによるヒト神経膠腫の免疫寛容状態の病態生理解明および診断精度向上
Project/Area Number |
19790872
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高屋 成利 Kyoto University, 放射性同位元素総合センター, 助教 (70444495)
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Keywords | 脳神経疾患 / 脳機能画像 / PET |
Research Abstract |
脳実質内においてはPBRは主に活性化ミクログリアに発現するが、その他にも血球や血管壁にも発現していることが報告されている。そのため、[11C]PK11195-PETによるミクログリアの発現を評価するためには、血液脳関門が破綻していない病変を選択することが必要と考えられる。そこで、MRIで造影効果のない病変についてのみ研究対象にした。これまでの私たちの研究の結果で、anaplastic astrocytoma(WHO分類grade III)のうち、MRIで造影効果のないものについては、腫瘍およびその周辺のミクログリアにおける末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)の発現が抑制されていることが、モノクローナル抗体を用いた病理学的検討で明らかになった。また、これらのPBRの発現抑制を[11C]PK11195-PETにて確認することができた。その後、[11C]PK11195-PETの画像解析を重ねると、anaplastic astrocytomaのみならず、造影を受けないその他のlow grade glioma(grade II)やdysembrioplastic neuroepithelial tumor (DNT)においても、腫瘍内およびその周囲に[11C]PK11195の結合が低下していた。これが、生体内におけるPBRの発現低下もしくは欠損を意味しているのか、それとも静脈から注射された[11C]PK11195が腫瘍実質内に充分に行き渡っていないものなのかについて検討する必要があった。腫瘍実質内に関心領域をとって、time activity curveを描出すると、他の健常領域に比べてradioactivityは低いものの、必要量の[11C]PK11195が腫瘍およびその近傍に到達していることが予想された。
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Research Products
(3 results)