2007 Fiscal Year Annual Research Report
体幹部悪性腫瘍の評価におけるPET-MRI融合の実用性・有用性に関する検討
Project/Area Number |
19790874
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
巽 光朗 Osaka University, 医学部・附属病院, 講師 (60397700)
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Keywords | PET-CT / PET-MRI / 腫瘍 |
Research Abstract |
本年は、先ず、別々の機会に得たPETとMRIからのPET-MRI融合の手法について検討を行った。PET-CT 融合像と同等以上の画質の、ずれの少ない融合像の作成を目標とした。 研究実施施設では、膵臓癌、大腸癌および婦人科癌(子宮癌・卵巣癌)に対してFDG PET-CTとMRIの検査の多くが短い間隔で行われており、これらを後ろ向きデータとして用いた。PET(PET-CT)およびMRI像は、それぞれPhilips社、GE社製の専用装置から得て、PET-CT装置付属のソフトウェアでPET-MRI融合像を作成した。画像融合にあたって、MRI像のDICOMヘッダー情報の変更が必要であること、自動的な融合プログラムではずれが大きく調整が必要なことが判明した。しかし、それらの改善により、MRI T1およびT2強調像は、容易に、比較的高い精度で、PET像と融合可能となった。 その後、PET-CTとPET-MRIの実際の有用性について比較した。膵臓癌において、融合の際のマッピング像としての能力をみるため、CTとMRで腫瘤が描出されているか否かを検討した。現状のPET-CTでは非造影のCT像が用いられることが多いため、MRIでも単純像を用いた。CTとT1およびT2強調像との比較では、腫瘤描出はT1強調像がCTに比して有意に優れており、T2強調像では差は見られなかった。PET単独像に対する追加情報の程度や最終的な融合像の画質も、PET-MR T1 像がPET-CTに比し有意に優れていた。PET-MR T2 像とPET-CTとの間には有意差はなかったが、嚢胞性病変はT2強調像で明瞭に描出される傾向があった。さらなる検討が必要であるが、PET-MRI融合像は、特にT1強調像を用いた場合に、PET-CTよりも有用である可能性が示唆された。
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