2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞を標的とした放射線増感剤としてのL-アルギニンの至適投与法の研究
Project/Area Number |
19790880
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平川 雅和 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20380454)
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Keywords | 悪性腫瘍 / 放射線治療 / 血管内皮細胞 / NO / iNOS |
Research Abstract |
研究者はこれまで、in vitroでの放射線照射した血管内皮細胞(BAECあるいはHUVEC)とHepG2をL-arginine存在下で共培養することによりHepG2にアポトーシスが誘導され、この現象には放射線照射により血管内皮細胞に発現したiNOS由来の過剰な一酸化窒素NOが関与することを研究成果(Cancer Research 62:1450-1457, 2002, 平成17, 18年度科学研究費補助金(若手研究 (B)課題番号17790866)として報告してきた。本研究では、上記の研究成果をin vivoで検証することを目的としている。すなわち、HepG2細胞をヌードマウスに移植し放射線照射を施行し、各条件にてL-アルギニンを投与することで、HepG2腫瘍の増殖能への影響を検証するIn vivoの実験を計画していた。 当初計画では、平成19年4月-6月実験準備、平成19年7月-11月 HepG2細胞の増殖、平成19年12月-平成20年3月 ヌードマウス実験としていた。しかしながら、研究開始後、ヌードマウスに移植する腫瘍細胞HepG2細胞を目的の細胞数まで増殖過程で、平成19年8月頃、培養施設にコンタミ(実験室汚染)、培養液の不良等の事象が生じ、細胞の増殖ができなくなった。その原因検索および培養施設の調整に3ヶ月を要し、当初予定していた期間での細胞のストックが得られなかった。そのため、HepG2細胞をヌードマウスに移植し放射線照射を施行し、L-アルギニンを投与することで、HepG2腫瘍の増殖能への影響を検証するIn vivoの実験が当初予定通り実施できなくなった。それにより年度内の補助事業の完了が困難となり、平成19年度は実験自体を、施行することが不可能であったため、平成20年度に実験計画を再編し、実験予定とした。研究成果は、平成20年度の報告書にてあわせて報告することとした。
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