2007 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部皮膚悪性疾患における三次元SPECT・CT融合画像の研究
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19790882
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 慎哉 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (50433008)
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Keywords | SPECT / CT / 融合画像 / 悪性皮膚腫瘍 / センチネルリンパ節 |
Research Abstract |
背景:頭頚部皮膚悪性腫瘍において、術前診断で明らかな転移がなくても所属リンパ節の郭清を行う場合がある。しかし、郭清例で転移が存在しない場合も見られ、リンパ浮腫や副神経障害等を生じることがあり、QOLを損なうことがある。センチネルリンパ節(SLN)とは、腫瘍からリンパ流が最初に流れ込むリンパ節であり、術前にSLN生検により、転移がない場合、郭清の省略が可能となりQOLの向上につながる。SLNの検出にはガンマプローブを用いた方法が一般的であるが、頭頚部のリンパ流は複雑であり、術前にSLNの部位が把握できていれば、最低限の侵襲で、正確なSLN生検が可能となる。 目的:本研究では、センチネルリンパ節の術前画像化のための3次元SPECT/CT融合画像作成のソフトウェア開発、画像作成の実際の方法等を確立し、簡便な術前の3次元シミュレーション画像診断の臨床応用を目的としている。 成果:CT画像は3次元のsurface-rendering法による体表画像表示をおこない、SPECTのMIP(maximum intensity projection)画像を融合させることで、SPECTで示される深部SLNを体表へ投影することが可能となり、SLNへのアプローチ部位を容易に術者が把握できるようなナビゲーション画像作成が可能となった。また、3次元volume-rendering法による皮膚抽出法を用いることでとSPECT画像のMIP画像処理ができないワークステーションでも深部SLNを体表から観察することが可能となった。更に、volume-rendering法を用いた血管や筋、骨等の軟部組織描出法とSPECT-MIP画像の融合により、SLNと周囲組織との解剖学的関係の把握が可能となった。各画像作成法のテンプレート作成により、処理時間は日常業務に耐えうる20分程度となった。
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