2007 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞を用いた再生軟骨のMRIによる多角的組織組成評価
Project/Area Number |
19790896
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡辺 淳也 Teikyo University, 医学部, 准教授 (40375712)
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Keywords | 軟骨再生 / 間葉系幹細胞 / 三次元培養軟骨 / Magnetic resonance imaging |
Research Abstract |
平成19年度はウサギ間葉系幹細胞を用いて、播種細胞数、軟骨厚、培養期間を変化させた三次元培養軟骨組織を作成し、その組織学的、生化学的特徴を評価した。同一の軟骨厚では、播種細胞数を増加させるほど単位体積あたりのプロテオグリカン含有量、コラーゲン含有量、DNA含有量などは増加する傾向にあった。一方最も軟骨厚の大きい3mmの軟骨組織では、播種細胞数を100万個/インサート以上に増加させると、軟骨下層を中心に一部不良軟骨組織が形成されたり、また細胞密度にばらつきを生じたりするサンプルがあった。以上の結果から、in vitroにおいて均一で良好な三次元培養軟骨組織を得るためには、播種細胞数125万個/インサート、軟骨厚2mm程度が至適条件と思われた。MRIを用いた三次元培養軟骨組織の多角的評価では、軟骨組織のトルイジンブルー染色による組織像、及び組織中のGlycosaminoglycan含有量はdGEMRICによる評価と相関した。軟骨組織中のコラーゲン含有量はT2 mappingによる評価と相関したが、一般に正常軟骨で認められるコラーゲン配列規則性に伴うT2変化は、培養条件を変化させたいずれの組織でも認めなかった。この理由としてメカニカルストレスのかからない培養軟骨組織中では、リモデリングによるコラーゲン配列の規則化が未熟であり、T2に変化を及ぼすには不十分であったことが考えられた。平成19年度の研究成果は、平成20年度開催の国内、国際学会で発表予定であり、また論文投稿を予定している。平成20年度は、培養条件を変化させた三次元培養軟骨組織をノックマウトの背部脂肪層内に移植し、生体内での成熟による組織学的、生化学的変化を評価するとともに、MRIによる多角的組織組成評価との相関を検討する予定である。
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