2008 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞を用いた再生軟骨のMRIによる多角的組織組成評価
Project/Area Number |
19790896
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡辺 淳也 Teikyo University, 医学部, 准教授 (40375712)
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Keywords | 軟骨再生 / 間葉系幹細胞 / 三次元培養軟骨 / Magnetic resonance imaging |
Research Abstract |
平成20年度は前年度に得られたin vitroでの研究結果をもとに、ヌードマウスを用いたin vivo研究を施行した。はじめに最適化した条件で作成された三次元培養軟骨をマウスの背部脂肪層内に移植し、移植後4週で軟骨組織を摘出し、dGEMRIC、T2 mapping、及び3D-SPGR法によるMRI評価と、組織の組織学的、生化学的評価を行った。この結果、マウスの生体内に移植を行う前の軟骨組織と比較し、移植後4週の軟骨組織ではグリコサミノグリカン含有量、コラーゲン含有量ともに大幅に上昇し、ウサギの健常関節軟骨に近づくこが確認された。また摘出軟骨組織の組織学的、生化学的評価はMRI評価と良く相関していた。次に移植した三次元培養軟骨の成熟に伴う経時的変化を評価するため、マウスに静脈麻酔を使用し、移植軟骨組織のin vivo MRI評価を行った。In vivoでは、in vitro MRI評価と同様に移植軟骨組織の評価が可能であったが、マウスの呼吸、心拍動、及び軟骨組織がコイルの中心から外れてしまうこと等が主因と考えられる評価精度の低下が確認された。このため放射線医学総合研究所及びHarvard Medical School, Brighamand Women's Hospitalの両施設より技術提供、指導を受け、撮像シーケンスの開発、最適化、及びコイルの改良と感度補正を施行した。これらの対応策により撮像精度の改善が可能であった。 平成19年度、及び平成20年度に得られた研究成果は、放射線科分野、及び整形外科分野の両主要国内学会において発表を行った。また再生軟骨分野の主要な国際学会に演題が採択され、2009年5月に米国で発表予定である。平成21年度は平成19年、20年度に得られた研究成果をもとに、より精度の高いMRI評価法の確立、より良好な再生軟骨を得るための至適条件の解明を行う予定である。
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