2007 Fiscal Year Annual Research Report
MR画像での組織信号の違いをNMR横緩和経過で得た水分類を基に究明する
Project/Area Number |
19790897
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
木村 雅子 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (30328314)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / NMR / プロトン |
Research Abstract |
今実験はNMR測定で得られた組織水構成モデルを構築し、モデルから予測されるMR画像と実際のMR画像の比較から精度良い画像予測システムを構築することを目標とする。今年度は温血動物から切り出した精巣・脳(灰白質・白質・脳幹)・肝臓・腎臓(皮質・髄質)・膵臓のNMR測定による組織水構成モデルの構築と、実際のMR画像の取得とその比較を行った。 組織水構成モデルの構築:NMR測定の結果から精巣・肝臓・腎髄質は骨格筋と同様(2005,kimura, et. al.)組織内水を4種類以上の特徴的な時定数を持つ指数成分に分解できたが、膵臓・腎皮質はグループ分けが不明瞭だった。組織構造の違いを反映して腎髄質は腎皮質より自由な成分が多く、酵素産生による高タンパク濃度を反映して膵臓は他組織より顕著に水が束縛されていると考えられた。脳では採取部位により組織水構成分画が異なっていた。 MR画像の取得と解析:ヒトの骨格筋・脳・精巣をsingle shice multi-echo sequenceで撮像し、得られた横緩和経過をMatlabで作成したプログラムで指数フィットすることで組織内水の2〜3指数成分分解に成功した。 NMRデータとMR画像データの相違:骨格筋のNMR測定から細胞内外に存在すると考えられる(2005,kimura etal)緩和時定数約0.15秒の成分量が、組織流が存在するMR画像データ解析では顕著に減少し、組織流がMR画像信号強度に強く影響することが示唆された。さらにNMR測定で温度上昇が精巣の組織水の束縛を強め、温度補正の必要性を示すとともに、組織水束縛の機序に疎水性相互作用の関与が示唆された。これらの補正を加え、平成20年度は組織水構成モデルを基にしたMR画像予測システムの構築をする予定である。
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