2008 Fiscal Year Annual Research Report
MR画像での組織信号の違いをNMR横緩和経過で得た水分類を基に究明する
Project/Area Number |
19790897
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
木村 雅子 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (30328314)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / NMR / プロトン |
Research Abstract |
今実験はNMR測定で得られた組織水構成モデルを構築し、モデルから予測されるMR画像と実際のMR画像の比較から精度良い画像予測システムを構築することを目標とした。今年度は昨年度NMR実験から得られた組織水モデルを元に画像予測システムを構築し、実際に撮像したMR画像と予測された画像との比較を行った。 画像予測システムの画像と実際の画像との比較 : Multi-echo sequenceで撮像したヒト脳のMR画像をMATLABソフトウエアに取り込み、各ピクセル信号を経時的に追跡した。次にMATLABソフトウエアに組み込まれているプログラムを活用して各ピクセルの経時的信号変化をNMR測定で取得したラット脳の組織水モデル成分で最適フィットさせた。こうして得られた各ピクセルの最適フィットを画像に逆変換し、組織水モデルを基にした人工的画像を作成した。実際に測定したMR画像と組織水を元に作られた人工的画像を比較すると、両者は極めて類似しており、正常組織における画像予測システムの構築に成功したといえる。同様の試みを骨格筋についても行い、実際のMR画像と人工画像に高い類似性が得られている。 多臓器への拡張 当初の予定では多臓器で同様の検討を行う予定であったが実際のMR画像を取得する際に腎臓、膵臓など腹部臓器は被検者の呼吸変動の影響が大きくmulti-echo sequenceでの良質な画像取得が困難だった。このためにNMR測定で取得したラット臓器の組織水成分でのフィットの精度が悪く、予測画像の信頼性が低かった。膵臓や腎皮質ではNMR測定での組織水のグループ分けがそもそも不明瞭であり、脳と骨格筋の場合のように特徴的な水成分の数を少数に絞り込めなかった。多成分を用いた予測システムへの拡張の必要性が示された。
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