2007 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血流障害が及ぼす正常組織の放射線感受性に関する検討
Project/Area Number |
19790899
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
那須 佐知子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (50292602)
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Keywords | レーザー組織血流計 / 末梢血流障害 / 放射線治療 / 急性皮膚反応 |
Research Abstract |
健常成人での末梢血流動態を、非浸襲接触型プローブにてレーザー組織血流計(オメガフロー、オメガウェーブ)を用い測定した。安定した測定値が得られるかをどうか検証するため、身体部位別(1)手指2)手掌3)手背4)前胸部5)腹部6)四肢の皮下)・環境別に測定を行なった。また測定値の再現性を確認するため、日時を変え複数回の測定を行った。その結果、温度差が大きい環境下では特に1)手指では安定した測定値が得られなかったが、時間経過とともに測定値が安定することが検証された。そのため、一般的に測定を行なう環境下(室内、同一環境下で10分以上経過している状態)での測定値は信頼できるものと考えられた。そこで、高エネルギー放射線照射を施行している患者に対し、末梢血流量が比較的安定して測定可能であった前胸部皮下での照射野内末梢血流量測定と5-level skin scoring systemを用いた肉眼的皮膚反応の測定を行なった。検討症例が少ない段階ではあり、末梢血流量測定値には個人差が大きくみられたものの、放射線治療中の急性期の肉眼的皮膚反応と局所末梢血流量は相関する傾向がみられた。放射線治療6か月以後に現れる遅発性反応については治療後の経過観察を通し、今後その関係を明らかにしていく予定である。また、皮膚合併症を有しており、臨床的に末梢血流障害を認めていた症例では合併症がない症例と比べ測定値の変動が大きく、急性期の肉眼的皮膚反応と差異を認め、末梢血流動態が合併症を有さない症例と異なる可能性が示唆された。
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