2008 Fiscal Year Annual Research Report
Double ligand PEGーリポソームを用いた新規BNCTの開発
Project/Area Number |
19790904
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
笠岡 敏 Hiroshima International University, 薬学部, 助教 (90338690)
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Keywords | リポソーム / BBB / BNCT |
Research Abstract |
本研究ではBBB透過リガンドとして、ブラジキニンB1受容体アゴニストである合成ペプチド[Sar-Arg-Pro-Pro-Gly-Phe-Ser-Pro-D-Phe-Cys-OH]を用いた。また、腫瘍標的リガンドとして、ラミニン様ペプチド[Dat-Ile-Gly-Ser-Har-Cys-OH]を用いた。これら二つのligandをPEG-リボソームのPEG末端に結合させ、リボソームの水溶性マーカーとして、水相に100mMカルボキシフルオレセインを用い、REV法とミセル移行法によってリボソームを調製した。 Double ligand PEG-リボソームをラット脳腫瘍C6細胞と培養すると、蛍光顕微鏡で細胞内に蛍光をみられ、細胞内取り込みが確認できた。一方で、細胞をlysis bufferで処理後に蛍光強度を測定した場合、PEG-リポソームと比較して、4時間で約1.9倍、24時間で約1.5倍であった。PEG-リポソームと比較して、劇的な取り込み効率の上昇はみられなかったので、取り込みリガンドとしてトランスフェリン、葉酸及びビタミンB12などについても検討中である。 BBB透過実験には、BBBキット^<TM>(ファーマコセル)を用いて検討した。ただし、BBBにブラジキニンB1受容体を発現させるために、C6と24h共培養したconditioned mediumを用いて、腫瘍病態BBBモデルを作成した。血管側に各種リポソームを添加して、経時的に脳側の蛍光強度を測定した。その結果、腫瘍病態BBBモデルでは、正常BBBモデルと比較して、Double ligand PEG-リボソームの透過率が約8.5倍になった。また、腫瘍病態BBBモデルにおいて、Double ligand PEG-リポソームはPEG-リポソームの約4.5倍の透過率となった。一方で、同条件において、透過リガンドのブラジキニン様ペプチド単独を結合したリボソームはPEG-リポソームと比較した場合、約1.8倍の透過率であり、これらの差が生じた原因について現在検討中である。 また、リポソームが透過した脳側の培地上清を、C6細胞に添加し、細胞内取り込みを蛍光顕微鏡で観察したところ、細胞内に蛍光が確認できたので、BBB透過後も細胞内取り込み能を有していることが示唆された。
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