2007 Fiscal Year Annual Research Report
マンモグラムの二方向画像と左右画像を利用した腫瘤陰影読影のための画像処理システム
Project/Area Number |
19790907
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
畑中 裕司 Gifu National College of Technology, 電子制御工学科, 准教授 (00353277)
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Keywords | マンモモグラム / コンピュータ支援診断 / 位置合わせ / 自動認識 / 差分処理 |
Research Abstract |
当該年度は,左右の乳房X線画像(マンモグラム)の位置合わせ処理と,左右画像の差分処理を利用した腫瘤陰影の偽陽性候補の削除処理の開発を行った.左右画像の位置合わせを行うために,基準点を自動的に決定するアルゴリズムの開発を行った.自動決定した大胸筋領域の境界線を直線近似して,その法線が最も長くなるスキンライン上の点を基準点とした.次に,基準点で位置合わせを行い,前述した左右の大胸筋の近似直線の角度が左右で一致するように,片側の画像をアフィン変換(回転処理)して,位置合わせ処理を実現した.このことによって,撮影時に乳房が斜めに移ってしまった場合にも対応できるようになった点が従来の研究とは異なる.150組の乳房X線画像を用いて左右画像の位置合わせ処理を評価したとき,成功率は89%と良好な結果を得た.次に,従来の研究で自動検出した腫瘤陰影候補から,誤検出した候補(偽陽性候補)を削除する処理を開発した.前述の左右画像の位置合わせ処理を行った後,検出した腫瘤陰影候補を最小に囲む矩形領域と,その候補と対称になる反対側の画像の領域を抽出し,それぞれ35次元の高次局所自己相関特徴を算出した.その後に,35次元の特徴空間における2者間の特徴のユークリッド距離(最短距離)を算出し,この距離を左右画像の類似度とした.この処理を598組の乳房X線画像を用いて評価したとき,腫瘤陰影を1個も削除せずに,偽陽性候補の約3%を正しく偽陽性候補を識別することができた.現時点では腫瘤陰影の領球を正確に自動決定できないが,改善できれば本処理で15%の偽陽性候補の削除が可能であることを確認した.
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