2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790908
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
隅田 伊織 Osaka University, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (10425431)
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Keywords | 放射線治療 / 呼吸同期 / 線量分布 / 動体ファントム |
Research Abstract |
呼吸同期照射時、線量分布の検証に使用したGAFCHromic Film type EBTの物理特性を調べた。本フィルムの物理特性、外部放射線治療で使用するエネルギー依存性について調べた。線質を4, 6, 10MVのX線で特性曲線を作成したが、エネルギーによる違いは認めなかった。フィルムを用いた線量解析を行う上で、フィルムをデジタルスキャンする必要があった。その際、市販スキャナを用いた。透過型スキャンを実施したが、スキャン位置によってスキャン光源位置が変化することによる反射率の変化が、ピクセル値に大きく影響を及ぼすことが明らかとなった。これを補正すべく、スキャン位置による反射率の度合いを予め定量的に取得し、フィルムスキャン時に補正を施すことで正確なデータ取得が可能となった。 人の呼吸性移動を制御するため、メトロノームを用いた音声指導、視覚的に呼気位置、吸気位置の確認ができる視覚的指導を実施した。前者では、音声指導であるため、呼吸周期の安定性が向上できた。後者では、呼気相、吸気相の呼吸振幅の安定性の向上が可能となった。呼吸同期照射では、呼吸に対してゲート設定する(どの位置で照射を実施可能とするのか)ため、呼吸振幅の安定性が一番メリットとしてあげられる。ゲート幅を広げることで、照射野辺縁線量が、減少することが明らかとなった。しかし、線量分布の歪みは増大する。線量分布が動きにより変形するとともに、治療計画装置で使用される線量計算アルゴリズムの変化により、特に、密度が大きく変化する境界面では、実際の線量分布とは異なることがわかり、肺腫瘍を想定した場合、腫瘍と肺の組織密度が大きく変化する領域での線量分布を正確に再現する線量計算アルゴリズムの使用が望まれた。
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Research Products
(1 results)