2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790910
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
遠藤 洋子 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 研究所, 研究員 (20359300)
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Keywords | 放射線治療 / オートファジー / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
放射線治療はがん治療の重要な手段であるが,従来の方法では低酸素領域では十分な効果を発揮しない。最近,放射線による細胞障害にオートファジーが直接関与していることが報告された。これまでに我々はIGFが低酸素下で細胞死を誘導すること,その細胞死は小胞体ストレスを介していることを明らかにした。さらに,我々は低酸素下でIGF刺激すると放射線感受性が上昇すること。そこでは小胞体ストレスによるCHOPの上昇とオートファジーの増強が関与していることを見出した。本研究はCHOPの誘導によってオートファジーが活性化され,低酸素下でのがん細胞の放射線増強効果が得られることを示すことを目的としている。平成19年度はAsPC1細胞を用いて既に得られた以下の結果の再現性を確認した。1)IGF2刺激により低酸素での放射線感受性が上昇する。2)IGF2刺激により低酸素での小胞体ストレスが増強する。3)IGF2刺激により低酸素でのオートファジーが増強する。4)CHOPの抑制により低酸素での放射線感受性が低下する。しかし,CHOPの抑制によりオートファジーは低下し,CHOPの過剰発現によりオートファジーは上昇したが,変化は軽微であった。BeclinlのRNAiによってオートファジーを抑制した場合,低酸素での放射線感受性が低下することから,オートファジーが放射線感受性に関与していることは確認できたが,CH0Pがオートファジーの上流にいることの確証は得られていない。今後CHOPの抑制がオートファジーを抑制するか,低酸素下におけるオートファジー誘導にCHOPが関与しているかどうか,あるいは低酸素下IGF刺激で誘導されるオートファジーとERストレスは独立した細胞応答であるかを検討する必要がある。
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