2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌の薬剤耐性機序の解明-核内受容体SXRによるUGT発現の関与-
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19790912
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小田原 宏樹 Gunma University, 医学部, 医員 (10420134)
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Keywords | 乳癌 / SXR / エストロゲン / 薬物代謝 / UGT |
Research Abstract |
Steroid and xenobiotic receptor(SXR)は核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属するリガンド依存性の転写因子である.これまでに,我々は乳癌細胞においてSXRがシトクロームP450 3A4蛋白(CYP3A4)およびP-糖タンパク(MDR-1)の発現を活性化することを明らかにした.薬物代謝のphase IIは抱合でありUDP-gulucuronosyltransferase(UGT)が担うことから,本研究では乳癌細胞におけるUGTとSXRの関係について注目した.UGT1A1はエストロゲンを代謝する酵素として知られている.UGT1A4およびUGT2B7は乳癌治療薬のタモキシフェンを代謝する酵素である.我々は乳癌細胞株におけるUGT1A1, UGT1A4, UGT2B7の発現をmRNAレベルで確認した.肝細胞癌の培養細胞レベルではSXRによりUGT1A1の発現がコントロールされるという報告が存在する.我々は乳癌細胞株を用いてUGT1A4がSXRにより発現増加することをRT-PCRで確認した. 乳癌組織におけるUGT1A1, UGT1A4およびUGT2B7の発現を調べる目的で臨床研究を行った.平成19年から20年度にかけて当院にて手術を行った乳癌症例のうち70症例を用いて,Real-time RT-PCRで測定したところ,UGT1A4とSXRの発現には相関を認めなかった.また,グルココルチコイド受容体と負の相関を認めた.ほか,UGT1A1もSXRとは相関を認めず,アンドロゲン受容体と正の相関を認めた.UGT2B7は測定困難であった.乳癌組織におけるSXRの発現はリンパ節転移陽性群,核異型度の高い群,エストロゲン受容体の陰性群・HER2陽性群で有意に低かった.
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[Presentation] 乳癌組織における核内受容体RORαの発現解析2009
Author(s)
小田原宏樹, 堀口淳, 岩崎俊晴, 鯉淵幸生, 六反田奈和, 長岡りん, 佐藤亜矢子, 時庭英彰, 飯野祐一, 鯉淵典之, 竹吉泉
Organizer
第17回日本乳癌学会総会
Place of Presentation
東京
Year and Date
20090703-20090704
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[Presentation] 核内受容体RORαによる乳癌細胞増殖能の活性化2009
Author(s)
小田原宏樹, 堀口淳, 岩崎俊晴, 鯉淵幸生, 六反田奈和, 長岡りん, 時庭英彰, 樋口徹, 飯野祐一, 鯉淵典之, 竹吉泉
Organizer
日本外科学会第109回総会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
20090402-20090404