2007 Fiscal Year Annual Research Report
体内で宿主の結合組織を用いて作成する自家移植用超小口径代用血管の開発
Project/Area Number |
19790925
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
渡辺 太治 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (20448723)
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Keywords | 小口径代用血管 / 自家結合組織 / 再生医療 / 動物移植実験 / in vivo |
Research Abstract |
Biotube小口径代用血管の長期動物移植実験 これまでの予備的検討において兎皮下にアクリル棒を埋入させると数ケ月で主に自家線維芽細胞とコラーゲンからなる厚さ数百ミクロン程度のカプセル化組織体が形成され,生体動脈と類似の力学的性質を有することが示された。また用いる鋳型の材質や形状によって形成されるBiotubeの力学的性質や形状が変化することを明らかとし,移植部位に応じた力学的性質や形状を設計することに成功した。 最近ではin vitroにおける拍動流回路を用いて力学的ストレス負荷を行い,物理特性や構成細胞の性質をあらかじめ変化させ得ることも確認した。 脆弱な管状組織体を動脈系へ移植する際に,吻合部のみを生分解性の多孔性人工物で補強する事で吻合操作が容易且つ現実的になることも確認し,径2mmのグラフトを用いたウサギ総頸動脈への自家移植実験に成功した。現在長期移植実験を行っているが,これまでのところ瘤化や・壁破綻などは認めていない。 強度を高める新しい鋳型の設計と大動物への応用 最終的な応用対象はヒトであるため,ウサギ以外の大動物への応用を開始した。通常大動物では組織治癒の速度が小動物に比較して遅いことから,Biotubeそのものの形成不良・更に植え込み後の内皮化不良による開存率の低下などが予想された。 設計改善により組織形成の遅いビーグル犬でも良好なバイオチューブを作成することが出来,ウサギと同様に総頚動脈への自家移植にも成功した。 4週目の開存率は100%が得られており,大動物での再現性も確認された。 今後更に長期の移植を行い,評価を継続していく予定である。
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