2007 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療的アプローチによる肺移植後虚血再還流障害の予防
Project/Area Number |
19790931
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
金田 浩由紀 Kansai Medical University, 医学部, 助教 (20411522)
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Keywords | 虚血再還流障害 / 肺移植 / アポトーシス |
Research Abstract |
現在臨床的に予測が困難で一旦発症すると非常に重篤で致死的な肺移植後の虚血再還流障害に対してその発症メカニズムを解明し、発症予防を目的とした。本研究では、臓器移植時の虚血再環流を契機として移植片の肺胞上皮細胞のアポトーシスを惹起し、アポトーシスを起こした肺胞上皮細胞がその除去過程において自己の貪食を惹起する細胞ポトーシスを起こした肺胞上皮細胞がその除去過程において自己の貪食を惹起する細胞誘導物質を放出し、これにより骨髄幹細胞が肺移植片の障害部位へ誘導、遊走されるというモデルを仮定した。肺虚血還流の動物実験モデルとしてラット肺移植モデルの作成を行ったが、肺移植術中の肺動脈、肺静脈の縫合はカフ法を用いても確実ではなかった。動物実験モデルのより簡便で確実な方法としてLEWラットを用いた肺動静脈クランプ法を確立した。これではラットを左開胸し、肺門部を剥離後に肺動脈、肺静脈をそれぞれを確立した。これではラットを左開胸し、肺門部を剥離後に肺動脈、肺静脈をそれぞれマイクロクリップを用いて別々にクランプした。実験ではLEWラットを用いて4群に分け以下のプロトコールとした。実験(1):時間虚血後に再還流しその後30分で犠牲死させ肺標本を採取、実験(2):1時間虚血後に再還流しその後1時間で犠牲死させ肺標本を採取、実験(3):1時間虚血後に再還流しその後2時間で犠牲死させ肺標本を採取、実験(4):1時間虚血後に再還流しその後24時間で犠牲死させ肺標本を採取、摘出肺標本にTUNEL染色を行い、1000視野中のアポトーシスを起した細胞の割合を観察すると(1):5.8%、(2):0.8%、(3):0.2%、(4):25.2%であった。現在実験を継続し結果を確認中である。また今後はアポトーシスを起す細胞の割合に対する肺組織幹細胞の割合を確認する予定である。
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