2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規NF-kB選択的阻害剤DHMEQによる急性膵炎の重症化および多臓器不全の抑制
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19790933
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
細田 充主 Hokkaido University, 北海道大学・病院, 医員 (40443931)
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Keywords | NFkB / 急性膵炎 / 多臓器不全 / DHMEQ |
Research Abstract |
これまでの実験で、セルレイン(Cn)膵炎モデルでのDHMEQによる膵炎抑制効果は認められなかったことから、Cnよるマウス膵炎後にLPSを投与する致死モデルを作製し検討した。過剰のLPS腹腔内投与(ip)でも致死が得られなかったため、投与方法を静脈内投与(iv)へ変更した。しかし、確実な致死率が得られないため、マウスの種類をBALB/cへ変更した。その結果、安定した致死率(3mg/kgで致死率25%)が得られた。これにCnを投与する致死性急性膵炎モデル(Cn+LPS)による致死率を検討した。Cnを1時間おきに6回ipし、その2時間後にLPSをivした。DHMEQはCn投与終了時に12mg/kg ipした。しかし、Cn+LPSモデルではコントロールでも全例生存してしまう結果となった。これは、Cn、LPSの溶解に用いている生理食塩水(投与6回)による補液効果と考えられた。血清学的評価では、amylase, lipaseのピークはCn初回投与後9時間で、Cn膵炎より早めにピークが来ていたが、治療群とcontrol群問に逸脱量に相違はなかった。また、組織学的検討においても膵炎の程度(空砲化、壊死性変化、浮腫)はcontrol群と同程度であった。 全身への影響として肝機能、腎機能(GOT, GPT, LDH, BUN, Cre)を評価したがいずれも測定時間に関わらずcontrolと同程度であった。また、組織学的評価において、肝細胞のbalooningなどの浮腫、炎症所見もcontrolとDHMEQ群で同程度であった。これらの結果は、DHMEQの投与時期を変更(予防的投与、治療的投与)しても変わらなかった。 今回の実験モデルでは、DHMEQによるCn膵炎における膵炎の重症化を抑制することはできなかった。
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Research Products
(1 results)