2007 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティック異常により制御される遺伝子群の癌細胞浸潤能への関与
Project/Area Number |
19790935
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
新井 誠人 Chiba University, 医学部・附属病院, 助教 (30396684)
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Keywords | エピジェネティクス / 細胞浸潤能 / マイクロアレイ / 異常メチル化 / 発現解析 / Boyden Chamber |
Research Abstract |
脱メチル化剤投与によって発現が変化した遺伝子群に、細胞浸潤に関与する遺伝子が多く含まれるというこれまでの我々の結果を基に、エピジェネティックに制御されている機能不明な遺伝子について、その機能解明、特に細胞浸潤能について重点的に解析することを目標とした。食道癌、肝細胞癌、胃癌、大腸癌由来の培養細胞(少なくとも2種類)を解析対象とした。脱メチル化剤(5-aza-2'-deoxycytidine)1μMを96時間投与することによって、2倍以上の発現増加を認めた遺伝子をマイクロアレイ解析によって絞り込み、エピジェネティックな因子によって制御される遺伝子候補群とした。発現変化をリアルタイムPCR法にて確認した。一部の遺伝子は、そのプロモーター領域(転写開始部位より上流500塩基程度まで)のCpGアイランドのメチル化の状態をBisulfiteシークエンス法にて解析した。その中で、食道癌由来培養細胞を用いた検討で、異常メチル化との関連が深いと考えられるchromosome 15 open reading frame 48(C15orf48)に注目した。この機能不明のC15orf48の完全長cDNAが搭載された発現プラスミドを用いて、食道癌由来培養細胞であるTE-1,TE-2においてC15orf48が安定的に高発現するクローンを複数個採取した。Boyden Chamber法を用いて細胞浸潤能の変化を検討した。C15orf48が高発現するクローンでは、有意に細胞運動能が低下していた。同様に、肝細胞癌由来の培養細胞を用いた検討によって、選び出された機能不明のcysteine and glycine-rich protein 1(CSRP1)の細胞運動能、浸潤能をBoyden Chamber法やマトリゲルを用いた改変法にて検討を行っている。
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Research Products
(2 results)