2008 Fiscal Year Annual Research Report
IL-18結合蛋白遺伝子導入による肝虚血再潅流障害抑制法の開発と肝移植への応用
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19790958
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠田 昌宏 Keio University, 医学部, 助教 (50286499)
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Keywords | 肝虚血再灌流傷害 / IL-18 / 肝移植 / 遺伝子導入 / 抗サイトカイン療法 |
Research Abstract |
肝移植におけるインターロイキン18(以下IL-18)の作用と役割を解明するとともに、肝移植後の虚血再灌流障害の抑制を目的とする。IL-18を抑制するため、移植肝に対しアデノウイルスベクターを用いて、IL-18の抑制性受容体であるIL-18bindillg protein(以下IL-18BP)の遺伝子を導入し、虚血再灌流障害の抑制効果を検討する。最終的には肝移植時の移植肝に対する遺伝子治療を目指す。具体的には以下の研究を行なった。1)IL-18BPの遺伝子を発現する改良型アデノウイルスベクター(以下Ad-RGD)を作製し遺伝子発現を確認した。まず作成したAd-RGDをHela細胞に感染させて培養し、2日後の培養上清を採取した。また、ラットの脾細胞を調整し、recombinantIL-18を用いて刺激することで、インターフェロンγ(以下IFN-γ)を発現する実験系を再現した。同実験系に採取したHela細胞の培養上清を加え、IFN-γの発現を培養上清の濃度依存性に抑制することを確認した。よって作成したAd-RGDが生理活性を持つIL-18BPを持つことが示された。In vivoについてもドナーラットにAd-RGDを全身投与することによって肝組織にIL-18BP遺伝子が発現することをリアルタイムPCRにて確認した。2)ラット肝移植モデルにおいて移植肝に遺伝子導入後、肝移植を行なった。同種同系群にて虚血再灌流障害を軽減するか否かを、AST,ALTの血中濃度測定等にて検討した。また、同種異系群にて移植後生存日数にて評価した。その結果、同種異系群において、IL-18BP遺伝子導入群で生存日数が延長することを確認し、移植後7日目ではALITの血中濃度や各種ケモカインに有意差を認めることを確認した。
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Research Products
(2 results)