2008 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌におけるNeuropilin-1の役割とそのシグナル伝達経路に関する研究
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19790961
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松下 晃 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (70449263)
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Keywords | stat5 / 膵癌 |
Research Abstract |
Signal transducers and activators of transcription(STAT)は7種類のファミリーを持つサイトカイン、および増殖因子受容体により活性化される細胞内蛋白である。そのなかでSTAT3は膵癌において発現、活性化が確認され、その増殖、浸潤との関連が報告されている。一方STAT5は白血病、乳癌、前立腺癌、頭頚部癌、肝細胞癌での恒常的な活性化、癌細胞の増殖、アポトーシス、浸潤、epithelial-mesenchymal transition(EMT)への関与が示唆されている。しかし膵癌においてはSTAT5の発現、活性化、その役割は明らかではない。そこで我々はヒト膵癌におけるSTAT5A、5Bの発現、活性化について検討を行った。 RT-PCR法にてヒト膵癌細胞株AsPC-1、Capan-1、MIA PaCa-2、PANC-1のSTAT5A、5BのmRNA発現を検討したところ全ての細胞株にSTAT5A、5B mRNA発現が認められた。またWestern Blot法による検討では全ての細胞株でSTAT5A、5B蛋白の発現が認められたが、両蛋白の活性化について抗チロシンリン酸化抗体を用いた免疫沈降法、Western Blot法により検討したところ全細胞株にてSTAT5B蛋白の活性化が認められた。 ヒト膵癌組織20例のパラフィン切片を用いた免疫組織学的検討ではSTAT蛋白の活性化を示す膵癌細胞の核内での発現はSTAT5Bでは70%であった。 膵癌においてSTAT5A、5BmRNA、蛋白の発現が確認された。また膵癌においてはSTAT5Bの活性化が認められ、その悪性度との関連が示唆された。
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[Presentation] ヒト膵癌におけるSTAT5の発現、活性化についての検討2009
Author(s)
松下晃,内田英二,宮本昌之,渡辺秀裕,鈴木成治,横山正,丸山弘,松谷毅,杉浦篤,柳健,松田明久,西佳史,新井洋紀,若林秀幸,相本隆幸,中村慶春,川本聖郎,石渡俊行,内藤善哉,笹島耕二,田尻孝
Organizer
第109回日本外科学会定期学術集会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
20090400