2008 Fiscal Year Annual Research Report
高精度気管支鏡誘導システムを用いた肺末梢病変の内視鏡的超低侵襲温熱治療法の確立
Project/Area Number |
19790964
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 秀海 Chiba University, 大学院・医学研究院, 協力研究員 (60422226)
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Keywords | 肺悪性腫瘍 / ラジオ波 / 凝固壊死 / アポトーシス |
Research Abstract |
転移性肺腫瘍などに対する経皮的ラジオ波焼灼治療が一部の施設で行なわれており、良好な成績が報告されている。しかし気胸などの合併症の問題もあり、普及しているとは言いがたい。我々は、経気管支ラジオ波プローブを用いて、肺内腫瘍に対する焼灼効果を実験的に検討した。 方法日本家兎(2〜3kg)を用いて、VX2腫瘍細胞1.5x10^8個をcollagen cell matrix 1.5mlと混合させ、経気道的に右下葉に注入した。2〜3週間後、レントゲンにて腫瘍の増大を確認し、ラジオ波実験を行った。ラジオ波プローブは、電極長12mmクールチップなしの直針を用いた。透視下にラジオ波プローブを腫瘍に到達させ、設定電力および焼灼時間を変えて、腫瘍の焼灼を試みた。1週間後に肺を摘出し、腫瘍の焼灼効果を肉眼的および病理学的所見で検討を加えた。 結果設定電力は1〜6W、焼灼時間は10〜20分の時間で変化させて、焼灼範囲を測定した。設定電力は2Wで最も安定しており、4W以上では途中でbreak outして焼灼が不十分であった。2Wで焼灼時間を変化させたところ、時間とともに焼灼範囲は広がり、20分で約8mm径の範囲が焼灼できた。病理学的にもプローブ周囲に凝固壊死が腫瘍内に認められ治療効果が確認された。 結論経気道的治療という制約のため、まだ高い熱量を与えることができず、焼灼範囲はごく限定されたものであったが、焼灼範囲での腫瘍凝固壊死効果は病理学的にも認められた。さらなるプローブの改良により経気道的なラジオ波治療は可能であると思われた。上記結果を学会発表し、さらに論文にまとめて投稿(Bronchology)予定である。
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Research Products
(1 results)