2008 Fiscal Year Annual Research Report
血小板由来内皮細胞成長因子を用いた動脈硬化性疾患に対する治療の研究
Project/Area Number |
19790965
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高森 督 University of Fukui, 医学部, 助教 (80397273)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管新生因子 |
Research Abstract |
本研究は、我々が血管新生治療の研究に用いている血小板由来内皮細胞成長因子(PD-ECGF)の動脈硬化性疾患に与える効果・影響についてin vivo及びvitro動脈硬化モデルを用いて検証し、PD-ECGFの血管新生療法における安全性を確認するとともに、動脈硬化性疾患に対する治療法への応用の可能性を追求することを目的とする。 平成20年度はin vitro動脈硬化細胞培養モデルにおける血管新生因子(PD-ECGF)の影響について研究及びマウス動脈瘤モデルを用いた大動脈瘤に対する遺伝子治療の研究を行った。 ラットの大動脈血管平滑筋細胞に対する血管増殖因子の作用として、Ang-II添加培地にPD-ECGF、VEGFを用い両者を比較検討した。細胞増殖能においては、MTT assayにて有意差を認めなかった。また、細胞増殖調節因子においても明らかな差を認めなかったが、細胞活性化マーカーであるICAM-1においてPD-ECGF投与群で抑制されることを認めた。 また、apoE KOマウス動脈瘤モデルを用いた大動脈瘤に対する遺伝子治療の研究では、Ang-II投与後4週にて動脈瘤の形成を確認した。その後、PD-ECGF使用群においてはプルロニックゲルをDDSとして用い遺伝子を投与した。対照群にはLacZ遺伝子を同様に投与し、投与後4週にて動脈瘤形成に対するPD-ECGFの治療効果を検討した。当初、PD-ECGFの動脈硬化に対する抑制作用にて、動脈瘤径の縮小が望めると考えていたが、実際動脈瘤径等、大動脈瘤の縮小効果を認めることはできなかった。 この結果より、PD-ECGFの動脈瘤形成に対する治療効果において、瘤形成後では十分な効果が認められず、今後はPD-ECGF遺伝子の投与時期の検討が必要であると考えられた。
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