2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790970
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
六鹿 雅登 Nagoya University, 医学部・附属病院, 医員 (80447820)
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Keywords | 再生医療 / ティッシュエンジニアリング / 血管平滑筋細胞 / TGF-β / メカニカルストレス |
Research Abstract |
心臓血管組織再生を目指した、中膜平滑筋層の再生技術の開発を以下の観点から行った。 (1) 管腔状の足場材料への細胞播種法開発 Magnetic Cationic Liposomeを用いて、磁力を使った細胞操作法で管腔構造物(脱細胞化血管)に細胞を播種法を開発し滴下法に比して、有意に効率的であった(約8倍の播種効率)。本法で、層状の平滑筋層を作成した。 (2) 骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)の平滑筋細胞(SMC)への効率的合化誘導 A. TGF-b1とアスコルビン酸(AA)MSCの培養中、培地にTGF-b1とAAを加えた場合、加えなかった場合に比して有意にMSCのSMC特異的遺伝子・蛋白(alpha smooth muscle actin(ASMA), calponin(CALP), SM22alphaなど)の発現を促進した。 B. 細胞外マトリクス(ECM)3種のECM(Laminin, Fibronectin, Collagen IV)上でMSCを培養し、比較すると、Laminin(LM)で培養したMSCが有意にSMC特異的遺伝子・蛋白(ASMA, CALP)の発現を促進した。LMをコーティングした担体を用いたラット頸動脈置換では、再組織化が促進した。 C. メカニカルストレス培養中のMSCにバイオリアクターを用いて、生理的な機械刺激の負荷で、有意にSMC特異的遺伝子・蛋白(ASMA, CALP, SM22a, SMemb, Caldesmon, SRF, Myocardin)の発現を促進した。 (3) 生体吸収性材料による担体の開発 生体吸収性のポリマー(PLA, PGA, PCL)を用いて、エレクトロスピニング法で担体を作製した。吻合部狭窄が問題となるため、生体吸収性の材料に新生内膜肥厚抑制効果の期待できる薬剤(FK506)を混和し、徐放化するドラッグデリバリーシステムを開発した(特許出願)。 本研究成果は、心血管組織再生研究の進歩に大きく貢献した。
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Research Products
(7 results)