2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790974
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
庄司 文裕 Kyushu University, 大学病院, 医員 (90444851)
|
Keywords | 呼吸器外科学 / 肺癌術後 / 肺再生 |
Research Abstract |
〔背景〕肺再生能の分子機序は未だ解明されていないが、肺気腫、間質性肺炎などの広範囲な障害後の肺再生に骨髄幹細胞による分化や間葉・上皮転換(mesenchymal epithelial transition:MET)などの機序が推察されている。また、動物実験でも肺切除後に代償性肺再生が認められている。多様な器官形成において重要な役割を担っているbone morphogenic protein(BMP)の1つであるBMP7は、METを励起する蛋白質として知られる。我々は、GFP骨髄移植後ラットの肺切除モデルを用いて、肺切除後残存気腫化肺の代償性肺再生においては、骨髄由来細胞の関与の可能性が低いことを報告してきた。 〔目的〕ラット肺切除モデルを用いて、肺切除後の残存肺におけるMET機序の関与について解析する。 〔方法〕7週齢Wistarラットに全身麻酔下に左肺全摘出術を施行した。術後2日、1週、2ケ月、6ケ月後に犠牲死させ、残存右肺を摘出した。摘出した残存肺の形態学的変化を400倍視野中の肺胞数の変化で確認した。METの関与に関する検討として、BMP7の発現状態を免疫組織化学染色により経時的に観察し、400倍視野中の陽性肺胞上皮細胞を計測した。 〔結果〕1)肺切除後、残存肺の気腫化は経時的に進行し、単位面積あたりの肺胞数は有意に減少していた(術前/2日/1週/2ケ月/6ケ月:45/42/42/37/36)(術前vs6ケ月:P=0.0025)、2)肺切除後、BMP7の発現が経時的に増加していた(術前/2日/1週/2ケ月/6ケ月:18/21/24/25/23)(術前vs6ケ月:P=0.032)。〔考察〕ラットの肺切除後残存気腫化肺の再生過程において、間葉・上皮転換機構の関与が示唆された。
|
Research Products
(1 results)