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2008 Fiscal Year Annual Research Report

肺切除術後の残存肺には急性肺損傷が潜在する

Research Project

Project/Area Number 19790980
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

江間 俊哉  Keio University, 医学部, 助教 (50445251)

Keywords肺切除 / 急性肺損傷 / HMGB1 / サイトカイン
Research Abstract

間質性肺炎・肺線維症を合併する肺癌患者に肺切除術を施行すると、術後急性増悪を来たしやすく、急性呼吸促迫症候群(ARDS)となり、致命的となる。外科的侵襲による増悪と考えられるが、メカニズムは不明であり有効な予防法や治療法もない。肺線維症の動物モデルとしてブレオマイシン(BLM)誘発性肺線維症がある。急性期に肺損傷を生じ、リモデリングの過程で線維化が生じる。我々はマウスに左肺全摘を施行するだけで残存右肺に炎症細胞が集積しHMGB1や種々のサイトカインが関与して血管透過性亢進と肺浮腫が生じることを明らかにしている。【目的】C57BL/6マウスにおいて肺全摘がBLM誘発性肺線維症に及ぼす影響を明らかにする。肺胞洗浄液(BALF)中で23種のサイトカイン、ケモカインと、炎症・ショックのメディエーターとして注目されるHMGB1を測定し、肺切除とBLM誘発性肺損傷・線維化への関与を検討する。【方法】C57BL/6マウスに対し人工呼吸器管理下(Fio2 : 0.21)で右肺にBLM(塩酸ブレオマイシン1.0mg/kg : 通常肺線維症を生じさせる1/3量)・或いは生理食塩水を経気管支投与した後、左肺全摘術或いはsham operationを施行する。【結果】処置後7日目において残存右肺での肺血管透過性と肺浮腫、BALF中の炎症細胞数は、BLMに肺全摘が加わることで更に亢進、増加した。BLM単独と比較して組織学的に残存肺で線維化が著明で、コラーゲン含量も2倍に増加した。またBALF中では、ブレオマイシン単独と比較し、肺線維化に関与すると考えれているメディエーター、IL-1b(1.4倍)、IL-6(3倍)、MCP-1(3.7倍)、RANTES(2倍)、Keratinocyt-derived chemokine(KC)(3.8倍)、HMGB1(1,4倍)の濃度が有意に上昇していた。【結論】肺全摘により残存肺でのBLMによる肺損傷が悪化し、線維化も促進されていた。肺全摘によって惹起された炎症性サイトカインやケモカイン或いはHMGB1の関与が示唆された。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 肺全摘術は術後残存肺での肺線維化を悪化させるマウス肺全摘+ブレオマイシン誘発性肺線維症モデルでの検討2008

    • Author(s)
      河野光智, 柿崎徹, 田島敦志, 渡辺真純, 江間俊哉, 泉陽太郎, 川村雅文, 堀之内宏久, 小林紘一
    • Organizer
      第108回日本外科学会定期学術集会
    • Place of Presentation
      長崎市
    • Year and Date
      20080518-17

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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