2008 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺腫・胸腺癌におけるCD44v6発現とその腫瘍マーカーとしての有用性の検討
Project/Area Number |
19790982
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
園部 聡 Juntendo University, 医学部, 助教 (50407277)
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Keywords | 胸腺腫 / 胸腺癌 / CD44v6 |
Research Abstract |
胸腺上皮性腫瘍において病期分類である正岡分類の有用性は広く認められているがClinical behaviorと予後を反映するbiological markerは確立されておらず、われわれは胸腺上皮性腫瘍におけるホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いてCD44v6の免疫染色をABC法にて行い、その発現強度を検索し、CD44v6はカットオフ値を変更することでWHO分類、浸潤性発育、再発について有意差を認めbiological markerとして期待できることを報告してきた(Prognostic value of CD44 isoform expression in thymic epithelial neoplasms. Sonobe, Miyamoto, Nobukawa et al. : Cancer 2005 ; 103 : 2015-22. )。このような結果を踏まえて、術前の血清CD44v6と手術検体でのCD44v6の発現との関連、また術前、術後の血清CD44v6、検体でのCD44v6と再発との関連を統計学的手法を用いて検討することを今回の目的とした。(1)サンプルの血清でCD44v6を実際に測定してみており測定方法は問題なかった。(2)プロトコール・同意書の作成を行い、当院の倫理委員会へ提出し承認を得た。倫理委員会の承認を得てから症例の集積開始となり、胸腺上皮性腫瘍は稀なため現在症例をまっている状態である。(3)完全切除された正岡II期胸腺腫は稀に再発することがわかっており、CD44v6の免疫染色で検討したところ、CD44v6強陽性群はそれ以外に対して有意差をもって予後不良であることが判明しアメリカ胸部疾患学会で発表した。 あとは症例の蓄積待ちであり、もう少し時間が必要である。しかし、現在、胸腺上皮性腫瘍に有用な腫瘍マーカーはなく今後の研究は非常に意義あるものと思われる。
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Research Products
(1 results)