2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図を用いた頸椎症性脊髄症の客観的治療効果判定法の確立
Project/Area Number |
19790987
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
東山 巨樹 Akita University, 医学部, 助教 (50422150)
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Keywords | 脳磁図 / 頚椎症性脊髄症 / 感覚障害 / 客観的評価法 / 運動誘発電位 / 体性感覚誘発電位 |
Research Abstract |
頚椎症性脊髄症での感覚障害の客観的評価法を確立するために、本年度は、昨年度に引き続き、症例数を増やした。頚椎MRIで頚髄内にT2高信号域を有し、外科的な治療を行った頚椎症性脊髄症15例に対して、総観察期間を術前から術後6ヶ月までとし、術前、術後1週、術後1ヶ月、術後6ヶ月に両側正中神経、後脛骨神経刺激SEFを計測・解析した。さらに健常成人10例に対しても両側正中神経、後脛骨神経刺激SEFを計測した。2年間で症例30例、健常成人例20例となった。得られた波形成分のピークを先頭から1M、2Mと命名し、正中神経刺激SEFおよび後脛骨神経刺激のそれぞれについて、1M・2MのECDを推定し、潜時、信号強度を求めた。 症例における1M・2Mの潜時は健常成人例と比較し有意に延長し、信号強度は有意に低下しており、症例が感覚障害を有することがSEF計測により示された。術前後の比較で、潜時は有意に延長し、信号強度は有意に低下しており、潜時、信号強度の双方が治療効果判定の指標となり得る可能性が示唆された。1Mと2M間の比較では有意差はみられなかった。 また、手術に際しては、術中経頭蓋MEPモニタリング、SEPモニタリングを行ったが、術中のモニタリングの波形の有意な変化は得られなかった。観察期間でMRIでの頚髄内T2高信号域の変化、SEF計測、NCSSの比較で明らかな相関が得られず、不可逆的変化の閾値を求めるには至っていない。今後、さらに、症例数を増やして不可逆的変化の閾値を求めたい。
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Research Products
(1 results)