2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫の腫瘍幹細胞維持機構の解明:低酸素環境の関与についての研究
Project/Area Number |
19790988
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
櫻田 香 Yamagata University, 大学院・医学系研究科, 講師 (60312732)
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Keywords | 神経膠腫 / 腫瘍幹細胞 / 低酸素 |
Research Abstract |
神経膠腫は成人脳腫瘍で最も頻度の高い疾患であるが、その治療成績はいまだ極めて不良である。近年、腫瘍幹細胞仮説が提唱され、悪性神経膠腫においても報告がなされている。低酸素環境の指標であるHIF-1αの発現は神経膠腫の悪性度と相関があると報告され、腫瘍内の低酸素環境は治療抵抗性と密接に関わっている可能性が考えられる。興味深いことに正常幹細胞は低酸素環境において細胞数が増加することが報告されている。脳腫瘍幹細胞は神経幹細胞の性質を共有することが知られていることから、低酸素環境が神経幹細胞だけでなく脳腫瘍幹細胞の増殖に寄与していることが考えられる。そこで今回「腫瘍内低酸素環境は、脳腫瘍幹細胞を増加させることにより悪性神経膠腫の治療抵抗性をもたらす」という仮説を着想し検討した。本年度はHIF-1αの発現と腫瘍幹細胞マーカーの1つであるnestinの発現の相関、および増殖細胞の指標であるMIB-1陽性率を免疫染色にて検討した。その結果、HIF-1αが高発現域ではnestin陽性細胞がその他の部位よりも多く認められる傾向がみられたが、MIB-1陽性率とnestin・HIF-1α陽性率には相関は認めなかった。また、中枢神経系胚細胞腫瘍について、nestin免疫染色を行ったところ、再発症例において非再発例よりもnestin陽性細胞が高率に見られることが明らかとなった。このことから、腫瘍の再発に腫瘍幹細胞の存在が重要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)