2007 Fiscal Year Annual Research Report
くも膜下出血後の脳血管攣縮の危険因子である炎症性細胞集簇と低Na血症の病態的解明
Project/Area Number |
19791009
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
久保 慶高 Iwate Medical University, 医学部, 助教 (00316366)
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / 低Na血症 / アドレノメデュリン / 炎症性接着分子 / 高感度CRP |
Research Abstract |
1)くも膜下出血発症後低Na血症と髄液中アドレノメデュリン上昇の関連 脳動脈瘤破裂患者32人で発症1-3日目(early period)と8-10日目(late period)に血漿ANP、BNP、AM、髄液AMを測定した。低Na血症は11人(34.4%)、症候性脳血管攣縮は6人(18%)で認めら、多変量解析ではlate periodのAMが低Na血症と症候性脳血管攣縮発生の独立因子であった。髄液AMはearly period、late periodともに血漿AMより有意に高値であったが、血漿AMとの相関は認められなかった。文献的に髄液AMは脳血管攣縮期に脳灌流圧を改善させるために上昇すると考えられるが、逆に腎交感神経を抑制してNa利尿を促し低Na血症と症候性脳血管攣縮をきたす可能性があると考えられた。 2)くも膜下出血患者における炎症性接着分子と高感度CRPの意義 脳動脈瘤破裂患者33人、対照群として未破裂脳動脈瘤患者5人で発症0日目(day 0)と7日目(day 7)に血清intercellular adhesion molecules (ICAM)-1,vascular cell adhesion molecule (VCAM)-1,E-selectin,P-selectin,L-selectinと高感度CRPを測定した。脳動脈瘤破裂患者は未破裂脳動脈瘤患者に比べて、day 0の血清ICAM-1,VCAM-1,高感度CRP、 day 7の高感度CRPが有意に高値であった。症候性脳血管攣縮は6人(18%)で認められた。症候性脳血管攣縮患者は症候性脳血管攣縮を有さない患者に比べて、day 0とday 7の血清ICAM-1,VCAM-1,高感度CRP、day7が有意に高値であった。血清ICAM-1,VCAM-1,高感度CRPはくも膜下出血患者で上昇し、症候性脳血管攣縮とも相関する可能性がある。
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Research Products
(5 results)