2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤候補遺伝子座LOXL3領域のSNPs関連解析
Project/Area Number |
19791013
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
赤川 浩之 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (60398807)
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Keywords | 脳動脈瘤 / 感受性遺伝子 / 一塩基多型 / LOXL family genes |
Research Abstract |
脳動脈瘤の有力な機能的候補遺伝子であるLysyl Oxidase(LOX)遺伝子群に注目し解析を行った。まず、同一の動脈瘤患者から採取した浅側頭動脈壁と脳動脈瘤壁よりそれぞれRNAを採取し、LOX遺伝子群の発現を検討した。4人の患者で検討し、脳動脈瘤壁においてもLOX遺伝子群が発現していることが確認できた。5番染色体のLOX遺伝子については、先に我々が行ったゲノムワイド連鎖解析で連鎖を認めた5q31に存在していたので、すでに解析を終えているが、関連は認められなかった。(J Hum Genet 48 : 309-314, 2003)。現在までにLOXの4つのアイソザイムがクローニングされており、これらをコードするLOXL1〜4遺伝子にも注目してSNPs関連解析を行った。その結果、LOXL2、3遺伝子に疾患との有意な関連を見出した。そのうち、特に強い関連があったのが、LOXL2遺伝子のエクソン5に存在するSNPであった。このSNPは独立した危険因子ではなく、我々が先に見出したELN/LIMK1領域の関連SNPとの遺伝子問相互作用により脳動脈瘤発症にかかわっていることもMDR解析(multifactor dimensionality reduction analysis)により明らかにした。さらに、先に述べた動脈壁の遺伝子発現の検討ではLOXL2遺伝子でのみ、統計学的有意差をもって動脈瘤壁での発現が上昇していた。LOXL3遺伝子では、特に家族性脳動脈瘤患者患者群に注目した解析で有意な関連が認められた。関連を認めたSNPはLOXL3遺伝子の3'側遺伝子近接領域に存在していた。この研究成果をHum Genetetics誌、121(3-4)号において、「Systematic screening of lysyl oxidase-like(LOXL)famiily genes demonstrates that LOXL2 is a susceptibility gene to intracranial aneurysms.」とのタイトルで論文発表した。
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