2008 Fiscal Year Annual Research Report
腰椎黄色靱帯における低酸素関連因子発現に関する研究
Project/Area Number |
19791016
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
金 景成 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (30339387)
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Keywords | 黄色靭帯 / 腰椎 / 変性 / 血管新生 / 低酸素 |
Research Abstract |
我々は脊椎手術において、生体に対し低侵襲に行うべく各種機器を駆使し、様々な工夫を行っている。頚椎前方手術においては、術後頚椎配列の悪化に伴う臨床成績の悪化を未然に防ぐべく、長期のデータをもとに解析を行った。腰椎後方除圧手術においても、脊柱後方支持組織である骨や黄色靭帯の削除に対して工夫を行い、その解析を行うことによって、低侵襲に手術を行うべく努力を行っている。このような、腰椎への後方除圧手術によって腰椎黄色靭帯組織を摘出し、靭帯をホルマリンで固定後、切片を作成したが、十分量の検体を得ることができた。得られた黄色靭帯組織切片を、HE染色を行い観察したところ、靭帯の変性が場所によって異なることが明らかとなった。すなわち、脊柱管面に近い部位では変性はそれ程強くない場合でも背側では変性が強く、それらに伴って血管の新生状況にも差があることが明らかとなった。更に、血管のマーカーであるCD34を用いて免疫染色を行ったところ、新生された血管の分布を明瞭に確認できた。低酸素関連因子であるHypoxia inducible factors(HIF)やVEGFの蛋白の発現については少数で確認できたが、現在のところ、靭帯の変性の程度とは相関関係を見出せていない。また、上記の靭帯変性の靭帯内での偏りについては、バイオメカニカルな影響によるものなのかどうかは依然不明で、低酸素関連因子の影響については今後の更なる検討が必要であると思われた。
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