2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791019
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 貴 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 助教 (80431948)
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Keywords | ストレス / JNK / SEK1 / MKK4 / MKK7 / 骨 / 遺伝子破壊 / リン酸化 |
Research Abstract |
生物は様々な外部環境の変動(ストレス)に対して、的確に応答する事で生体内の恒常性を保ち、個体を維持している。このようなストレスには高温や紫外線のほか、ウィルス・細菌等の生体に対する異物、機械的刺激、更には心理的・生理的刺激など非常に多くの種類が存在する。近年、これらの様々なストレス刺激によって、c-Jun amino-terminal kinase(JNK)系を介するシグナル伝達系が活性化され、細胞増殖・分化・機能調節に関与する事が、主に培養細胞を用いた研究によって明らかになってきている。申請者が新たに所属する研究グループでも、これまでに2種類の活性化因子、SEK1/MKK4とMKK7が協調してJNKをリン酸化し、強力な活性化状態を誘導する事、さらにSEK1およびMKK7の全身性遺伝子破壊マウス系統を樹立し、ともに胎生期の10.5〜12.5日齢で致死である事を見出している。本研究ではストレスシグナル伝達系である、MKK-JNKシグナル経路の骨細胞における生体内高次機能の解明を目的として研究を進める。具体的には、1) 骨細胞特異的な時期特異的遺伝子破壊システムの構築と条件付きSEK1遺伝子破壊マウス系統の樹立を行う。続いて、これらマウス系統を交配する事で2) 骨細胞特異的SEK1, MKK7遺伝子破壊マウスの作出を行い、ストレス応答性シグナル伝達分子の骨組織での高次機能について解析を行う。さらに、ストレス応答経路の分子機構を解明する事により、3) 骨組織の重力ストレス感知機構における新規分子標的の同定を目的とする。これまでにMKK7遺伝子破壊マウスの作出され、成長遅延の表現型が観察されており、骨組織への影響も生じていると考えられる。本マウスの詳細な解析により、本シグナルの新たな生理機能が解明されると期待される。
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