2008 Fiscal Year Annual Research Report
大型骨組織再生を目指した骨髄間葉系細胞を用いた治療法の総合的研究
Project/Area Number |
19791020
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
早乙女 進一 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 寄付講座准教授 (20401391)
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Keywords | 骨髄間葉系細胞 / 大型骨欠損再生 / 組織工学 |
Research Abstract |
ヒト骨髄間葉系細胞(MSC)のin vitroの検討においては、MSCは増殖、継代とともに分化能が低下することを確認した。この継代に伴うMSCの分化能低下のメカニズムを明らかにするために、遺伝子発現の変化についてマイクロアレイを用いた解析の準備を進めている。マイクロアレイによる解析では相当数の原因遺伝子の候補が上がると考えられるため、ドナーや培養条件を変更することで多数の検体を用い、また実際の分化能の変化と照らし合わせることで、くさらに候補を絞っていく予定である。 大型骨の再建に用いる足場材として、多孔質の人工骨を使用することになるが、人工骨にはブロック状のものや顆粒状のタイプがある。様々な形状の骨欠損に対応できるという点では、顆粒状の汎用性が高いと考えられるが、骨形成に関しては足場材の形状の影響は検討されてこなかった。そこで足場材としてブロック状と顆粒状のβ-TCPを用い、それに培養MSCを導入し骨形成の比較を行った。その結果、骨形成は主に足場材の気孔内に認められた。特に顆粒状のβ-TCPでは顆粒の内部の気孔内には旺盛な骨形成を認めたが、顆粒間の間隙では骨形成が乏しく、大型骨の再建にはブロック状の多孔体の使用が望ましいと考えられた。 上記の成果および昨年度までの成果を用い、サルを用いた大型骨の再建実験を行った。サル大腿骨に長さ5cmの大型骨欠損を作成し、そこに培養MSCを導入した5cm長の多孔質β-TCPを移植した。5cmの骨欠損が再建された。なお、MSCを導入しないβ-TCPを移植した場合、移植したβ-TCPは吸収されてしまい、骨欠損は再建されなかった。
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[Journal Article] Bone Regeneration with Autologous Plasma, Bone Marrow Stromal Cells, and Porous beta-Tricalcium Phosphate in Nonhuman Primates.
Author(s)
Torigoe I, Sotome S, Tsuchiya A, Yoshii T, Maehara H, Sugata Y, Ichinose S, Shinomiva K, Okawa A.
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Journal Title
Tissue Engineering Part A (In press)
Peer Reviewed
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