2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子FUS1静脈注入法による骨肉腫遺伝子治療
Project/Area Number |
19791021
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川島 寛之 Niigata University, 医歯学系, 助教 (30361900)
|
Keywords | FUS1 / 骨軟部腫瘍 / real time RT-PCR / Western blot |
Research Abstract |
本年度は骨肉腫を含めた骨軟部の良性腫瘍と悪性腫瘍におけるFUS1の発現について検討を進めてきた。RNAレベルでの発現についてはRT-PCR(real time)を用いて検討し、蛋白レベルでの発現についてはWestern Blot法で検討を行った。これまで、肺癌においては悪性化の初期段階において、FUS1の発現は消失すると考えられてきたが、骨軟部腫瘍においては悪性度との相関性は低いということが判明した。また、RNAレベルと蛋白レベルでの発現に差があることも以前から指摘されていたが、この点に関しては骨軟部腫瘍においても同様であり、FUS1 RNAの発現は多くの腫瘍に認められるものの、蛋白レベルでは一部の腫瘍にのみ発現が確認された。どのような腫瘍においてFUS1が発現し、どのような腫瘍において発現しないかについてはtissue micro array法を用いて現在網羅的に組織学的比較を行っている。Tissue micro arrayはスライドガラス上に50個程度のスポットとして配置された組織を一度に免疫染色し、染色性の比較を行うことができる方法であり、現在のところ腫瘍の発生起源と推測される組織によりFUS1の発現量に差がある傾向を認めていが、詳細については検討中であり、今後明らかにしていきたい。これまでの検討により、マウス可移植性であり、FUS1の発現が認められない骨肉腫細胞株を発見した。次年度は本細胞株をマウスに移植し、坦癌動物モデルを作成し、FUS1遺伝子を静脈より投与し治療効果について検討していく予定である。
|