2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791030
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
國分 毅 Kobe University, 医学部・附属病院, 助教 (40403266)
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Keywords | 肩腱板広範囲断裂 / 腱板再生 / 細胞支持体 / 生体吸収性高分子 |
Research Abstract |
Poly(DL-lactide-co-glycolide)(PLLA)生体吸収性高分子を用いて新しいタイプの細胞支持体を神戸大学工学部応用化学科との共同研究で数種類作製した。in vivoで日本白色家兎の棘下筋腱を上腕骨より切離し断端を約5mmほど切除した腱板欠損を作成し生体吸収性細胞支持体を移植した(腱板広範囲断裂再建モデル、PLLA群)。棘下筋腱を一度切離し再縫合したもの(腱板修復モデル、修復群)を比較対照とした。術後、経時的に(術後2、4、8週)修復腱板組織を摘出し、引っ張り試験を行い力学的に、および細胞支持体への細胞の遊走の程度、組織再生の程度および周囲組織との癒着の有無を組織学的(HE染色)に評価を行った。 力学的強度は、PLLA群では、術後2週で37.ON、4週で57.2N、8週で68.3N、修復群では術後2週で49.1N、4週で61.7N,8週で78.0Nと各時点での両者間に有意差はなく、PLLAで再建したモデルは再縫合したモデルと同様の力学的強度を持って再生することが分かった。また、術後2週ではPLLA群の強度は低いものの、8週では正常腱の強度とほぼ同程度にまで回復していた。組織所見では、術後4週で肉眼的には白色平滑な瘢痕様組織で修復されており、HE染色ではPLLAの周囲に線維芽細胞が見られるものの巨核球などの炎症細胞も見られた。8週でもPLLAの線維はまだ残存していたが骨付着部近傍にコラーゲン線維が腱の走行に一致して見られるようになっていた。以上から、術後8週までに力学的には正常腱に近い強度を再現しているが、組織学的には早期に炎症反応がみられ、この炎症反応を抑制することが来年度の課題と思われた。
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Research Products
(1 results)