2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791031
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
北川 教弘 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (30294284)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨代謝 / NFAT2 / 膜タンパク質 / 増殖因子 / HB-EGF / シグナルシーケンストラップ / ectodomain shedding |
Research Abstract |
破骨細胞は単球-マクロファージ系列の血球系細胞に由来する前駆細胞が、破骨細胞分化誘導因子(RANKL)の働きによりTRAP陽性単核細胞へと分化し、細胞融合過程を経てTRAP陽性多核破骨細胞に分化する。本申請では破骨細胞分化過程に必須な転写因子NFAT2下流の分子プログラムの解析から破骨細胞の骨吸収活性獲得機序の解明を目指す。これまでにIn vitroの実験から、NFAT2の制御下で発現調節されるHB-EGFのADAMプロテアーゼによる切断(ectodomain-shedding)後に生じるC末端領域に破骨細胞分化抑制活性を見出しており、本年度はHB-EGFの破骨細胞分化抑制の生理的意義および分化抑制機構に着目した研究を行った。HB-EGF遺伝子欠損マウスおよび非切断型HB-EGFノックインマウスの骨組織を野生型マウスと比較した結果、変異マウスでは破骨細胞および骨芽細胞数が野生型に比べ有意に増加していた。また変異マウスでは骨代謝マーカーである尿中デオキシピリジノリン濃度が有意に上昇していた。さらに骨髄細胞を試験管内で破骨細胞に分化誘導すると、野生型マウスと比較して変異型マウス由来の骨髄細胞を用いた実験区では形成される破骨細胞における核数が増加しており、細胞融合が亢進していることが示唆された。さらにin vitro破骨細胞分化誘導系を用いた解析からHB-EGF C末端領域の細胞融合抑制活性には207番目のセリンが重要であることを見出した。
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Research Products
(6 results)