2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスアプローチによる末梢神経再生に関与する因子の探索
Project/Area Number |
19791040
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
相木 比古乃 Sapporo Medical University, 医学部, 研究員 (10438004)
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Keywords | プロテオミクス / 末梢神経 / タンパク質 |
Research Abstract |
質量分析によるタンパク質解析であるプロテオミクスの技術を用いて末梢神経損傷部におけるタンパク質発現を一括して探索し,その変化を検討した。 12週雌のSDラットを用いて切断群(4匹:坐骨神経の中央部で神経を切断)とSham群(4匹:坐骨神経の展開のみ)のラットモデルを作成した。術後5日で各々1cm神経を摘出し,タンパク質を抽出した。可溶部と不可溶部に分離されるが,不可溶部にさらにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加し,タンパク質の可溶化をはかった。各々を連続5-15%のゲルを用いて一次元電気泳動を行い,タンパク質が泳動した部分のゲルを全て切り出した。その後,トリプシンを用いてゲル内消化を行った。質量分析器(QSTAR:ESI-quadTOF)で得た情報を元に,データーベース検索でタパク質の同定を行った. 切断神経近位から989個,遠位から988個,Sham神経から538個のタンパク質が同定された。切断近位,Shamでは特異的なタンパク質の発現はなかったが,切断遠位に特異的に発現したタンパク質は9個あった。Ribosoma lproteih(4種),M4protein,TRAP-α,PN-1,LAMP-1,collagenα-1(XII)である。これらのタンパク質の生物学的な機能をみるため,分子間ネットワークの検索を行ったところ,TGF-βやEGFなど神経栄養因子が多数含まれていた。 このように,プロテオミクスと分子間ネットワーク検索を行うことにより,末梢神経損傷における動的な分子の変化を可視化することができた。
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Research Products
(3 results)