2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞融合因子DC-STAMPのリガンドの同定と細胞融合機構の解明
Project/Area Number |
19791044
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 健史 Keio University, 医学部, 講師 (70383768)
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Keywords | 破骨細胞 / 細胞融合 / DC-STAMP / MCP-1 |
Research Abstract |
破骨細胞の細胞融合におけるDC-STAMPの機能を明らかにするため、リガンドの同定を試みた。 DC-STAMPは7回膜貫通型の受容体蛋白である事がら、複数の7回膜貫通型受容体に結合することができるMCP-1をそのリガンドの候補として検討を行った。 MCP-1欠損マウスを用いて破骨細胞の細胞融合を検討したところ、野生型マウスの破骨細胞に比べて有意に多核の破骨細胞形成が抑制されていた。しかし、MCP-1欠損マウス由来の破骨細胞は分化マーカーの発現も低下しており、また破骨細胞分化のマスター転写因子であるNFATc1の発現も低下してことから、MCP-1は細胞融合というよりは分化を制御している事が示唆された。今後はこのMCP-1による分化制御機構について、解明を進めていく予定である。また、DC-STAMP欠損マウス由来の破骨細胞は細胞融合が完全に抑制されているが、リコンビナントのMCP-1蛋白はこの細胞融合を回復させる事は出来なかった。 アクチンプローモーターの制御化にDC-STAMPを恒常的に発現するトランスジェニックマウスを樹立した。発現量の異なる複数のラインを樹立する事が出来、子孫へトランスジーンが継代されることを確認することができた。さらに、DC-STAMP欠損マウスとの交配により、DC-STAMP欠損による破骨細胞の細胞融合抑制が回復する事を確認した。本トランスジェニックマウスでは、本来DC-STAMPの発現が確認できない組織にも異所性にDC-STAMPの発現を確認したが、異所性の細胞融合は観祭されず、DC-STAMPは破骨細胞特異的に細胞融合を制御する事が明らかとなった。
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Research Products
(10 results)