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2008 Fiscal Year Annual Research Report

脊髄損傷後の神経因性疼痛における活性酸素の役割解明

Research Project

Project/Area Number 19791065
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

高橋 亜矢子  Osaka University, 医学系研究科, 助教 (70444544)

Keywords神経陰性疼痛 / 活性酸素 / GABA受容体
Research Abstract

本研究は組織障害性、シナプスの可塑性に関与すると考えられている活性酸素が神経因性疼痛発症のメカニズムに関与するかどうかを明らかにすることを目的とする。
昨年度までの成果として、マウス脊髄スライス標本を用い、内因性活性酸素の一つである過酸化水素が脊髄後角膠様質(SG)細胞のGABA受容体介在性微小後シナプス電流の頻度を増加させることを明らかにした。また、過酸化水素による後シナプス電流の頻度増加のメカニズムを検討するために、薬理学的検討を行った結果、シナプス前細胞の小胞体におけるカルシウム放出に関与するIP3受容体のブロッカー、2APBが、過酸化水素の効果を抑制することを明らかにした。
IP3受容体はこれまでにタイプ1-3までのサブタイプが同定されている。そこで今年度は、脊髄でのIP3受容体のサブタイプについて免疫組織学手法を用い検討したところ、脊髄後角でタイプ1IP3受容体の存在を確認した。さらにタイプ1IP3受容体の遺伝子を部分欠損する遺伝子操作マウスOptマウスのヘテロタイプより作製した脊髄スライスを用い、過酸化水素がSG細胞のシナプス電流に与える影響を電気生理学的に検討した。その結果、ワイルドタイプマウスと異なり、過酸化水素による後シナプス電流の頻度増加は消失することが明らかになった。つまり、過酸化水素による頻度増加のメカニズムはタイプ1IP3受容体を介することが明らかになった。
本研究により、活性酸素の一つである過酸化水素が、タイプ1IP3受容体を介して、脊髄後角SG細胞におけるシナプス伝達を変化させることが明らかになった。つまり、IP3受容体は神経因性疼痛メカニズムに重要な役割を果たしていることが示唆された。このことは、新しい神経因性疼痛の治療薬の開発に役立つ可能性を示唆する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2008

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 脊髄のGABAA受容体と麻酔薬の作用メカニズム2008

    • Author(s)
      高橋亜矢子
    • Journal Title

      医学のあゆみ 225

      Pages: 989-993

  • [Presentation] 脊髄のGABAニューロンと麻酔薬の作用機序2008

    • Author(s)
      高橋亜矢子
    • Organizer
      第55回日本麻酔科学会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      2008-06-13
  • [Presentation] 活性酸素がGABA性シナプス伝達に与える影響2008

    • Author(s)
      高橋亜矢子
    • Organizer
      第12回日本真剣麻酔・集中治療研究会
    • Place of Presentation
      新潟コンベンションセンター
    • Year and Date
      2008-04-12

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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