2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791066
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安氏 正和 Hiroshima University, 病院, 助教 (50397931)
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Keywords | 周術期管理学 / 片肺換気 / 肺障害 / 肺血管外水分量 / PiCCOシステム |
Research Abstract |
本研究は,PiCCOシステム(PiCCO,PULSION Medical Systems)を用いて,肺切除術における片肺換気中の間欠的肺拡張が肺血管外水分量と予後に及ぼす影響について検討し,得られた結果から片肺換気における虚脱肺の管理方法の確立をめざすものであり,現在は以下の手順で実施している. 1.肺腫瘍に対する片肺換気下肺切除術を受ける成人患者を対象とし,虚脱肺を間欠的に拡張させる群と,肺拡張を施行しない群の2群に無作為に分ける. 2.間欠的に肺を拡張させる群では,20分毎に,気道内圧20cmH_2Oの加圧(10秒間)と加圧解除(5秒間)を1分間繰り返す. 3.Piccoシステム(カテーテル等は消耗品として購入)を用いて,肺血管外水分量,胸腔内血液量等のデータ収集を行い2群間で比較する. 4.周術期臨床経過を追跡調査することにより,予後の比較を行う.現在のところ,目標症例数(40症例)には達していないが,本検討の結論を導き出すための最終段階にある.今後,症例数を増やすと同時に,これまでに得られたデータの統計学的検討を進め,最終年度には片肺換気における虚脱肺の管理方法について新たな知見が得られると考えている.なお,虚脱肺を再拡張することにより再膨張性肺水腫が惹起されることが知られているが,本研究の期間中に,縦隔腫瘍切除術後に発症した再膨張性肺水腫を経験し,その経過をPiCCOシステムの肺血管外水分量測定により,定量的に評価することができたので症例報告を行った.
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