2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791075
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
木谷 友洋 Sapporo Medical University, 医学部, 研究員 (10438046)
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Keywords | カンナビノイド / in vivo / パッチクランプ / 脊髄鎮痛 / EPSC / CBl受容体 |
Research Abstract |
古くからマリファナには痛みを和らげる効果があり,不安の軽減や気分の高揚,嘔吐の抑制と食欲増進といった作用があることが知られていた,1960年代には活性成分であるTHC(Δ-9テトラヒドロカンナビノール)が同定され1990年代に入ると内在性カンナビノイド受容体CB1が単離された。現存は不安,食欲,吐気を調節する部位に作用する薬剤の開発が進行しているが,疼痛に関わるメカニズムにおいては,疼痛中枢のいくつかでカンナビノイドが明らかにされているのみで未だ解明されていない。一方,抹消からの侵害情報は脊髄後角、特に膠様質(Substantia gelatinosa:SG)ニューロンに入力し,様々な修飾な受けた後,最終的に一次体性感覚野に投射する。そのため脊髄後角をターゲットとした鎮痛,-脊髄鎮痛-は効果的な鎮痛法であり,CB1受容体は脊髄に多く存在するためCB1受容体を介した脊髄鎮痛が得られる可能性がある。そこで,痛み刺激が脊髄でのシナプス応答に応える影響をin vivoパッチクランプ法で調査した。 ウレタンの腹腔内投与による全身麻酔下に6週ラットを椎弓切除し,脊髄を露出しパッチクランプを行い,興奮性シナプス後電流,(EPSC)を記録した。CB1作動薬の投与によりEPSCの頻度・振幅は増加するもの,減少するものと様々であった。ラットの足底にカラゲチンを投与し炎症を作成したラットにおいては、自発EPSCが増加しておりCB1作動薬の投与によってEPSCの抑制が見られた。以上より正常ラットにおいてカンナビノイド投与による反応は一様ではないが炎症モデルラットにおいてはカンナビノイドが侵害刺激の伝達を抑制した。今後,モデルの種類を増やし,様々な状態におけるカンナビノイドの作用を検討していく予定である。
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