2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791076
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新山 幸俊 Sapporo Medical University, 医学部, 助教 (90423764)
|
Keywords | 麻酔 / 疼痛 / カプサイシン |
Research Abstract |
代表者らはこれまでにオピオイド抵抗性で難治性がん疼痛のひとつである骨がん疼痛発生の機序としてカプサイシン受容体(TRPV1)の発現増加と機能亢進が関与していることを明らかにしたが, それらがどのようにして調節されているのかはまだ明らかにされていない. 平成20年度, われわれは感覚性の神経細胞に発現する転写制御因子runt-related transcription factor 1(Runxl)に着目し, 炎症性モデルマウスを用いて, 末梢神経レベルでのRunx1の発現状態について分子生物学的手法を用いて解析・検討を行っている. その結果, 正常マウス後根神経節神経細胞体においてRunxlはIB4で標識されるペプチド非含有小型神経細胞体の核に特異的に発現していることが確認された. 炎症性疼痛モデルマウス後根神経節神経細胞体では, IB4で標識されるペプチド非含有小型神経細胞体の核だけでなく, IB4で標識されない小型神経細胞体の核にも発現することが明らかとなった. このIB4で標識されない小型神経細胞体の一部はTRPV1陽性であった. また, TRPV1発現神経細胞数は正常マウスに比べ, 炎症性疼痛モデルマウスで増加した. したがって, 今後, 末梢組織炎症によりRunx1発現が増加するのか, もしくはRunx1発現細胞の表現型が変化するのか, を検討し, さらにTRPV1発現増加に対するRunx1の関与を検討する予定である.
|