2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791076
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新山 幸俊 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (90423764)
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Keywords | transient receptor vanilloid subfamily 1 / runt-related transcription factor 1 / 骨がん / 後根神経節 / 疼痛 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでに骨がん疼痛状態では末梢神経においてtransient receptor vanilloid subfamily 1(TRPV1)の発現がmRNAおよびタンパクレベルで増加することを見出した.しかしながら,なぜTRPV1発現が増加するのかの機序は不明である.そこで,転写因子であるrunt-related transcription factor 1(Runx1)に注目し,TRPV1発現増加機序を免疫組織学的に検討した.対照マウスに比べ,骨がん疼痛モデルマウスではTRPV1陽性DRG細胞およびRunx1陽性DRG細胞の増加を認めた.対照マウスDRG細胞ではTRPV1は小型細胞に主に発現しており,有髄神経のマーカーであるNF200とはほとんど共存は認められなかった.骨がん疼痛モデルマウスDRGでは小型細胞のみならず一部中型~大型細胞に発現が観察された.陽性細胞数を計測したところ,対照マウスより5%程度増加していた.神経マーカーとの多重染色ではCGRPとの共存が約85%に増加するとともに,一部のNF200陽性神経にもTRPV1発現が観察された.一方,Runx1は対照マウスDRGでは小型細胞の核に特異的に発現した.神経マーカーとの多重染色ではRunx1は非ペプチド含有細胞のマーカーであるIB4と共存し,TRPV1との共存はほとんど観察されなかった.一方,がん疼痛モデルマウスDRGでは小型細胞のみならず一部中型~大型細胞に発現が観察された.陽性細胞数を計測したところ,対照マウスより7%程度増加していた.さらにTRPV1とRunx1の共存を検討したところ,対照マウスDRGではほとんど観察されなかったが,骨がん疼痛モデルマウスではTRPV1陽性細胞の約3%がRunx1陽性であった。特に,中型~大型細胞にTRPV1とRunx1の共存が観察された.したがって,TRPV1の発規増加にRunx1が関与する可能性ある.今後,Runx1の遺伝子発現制限モデルもしくはRunx1の薬理学的機能抑制によりTRPV1の発現がどのように変化するかけ検討する予定である.
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Research Products
(3 results)