2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい脳水分測定法の開発と基礎的応用-水チャネルに着目した新脳浮腫治療法の開発-
Project/Area Number |
19791078
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
平手 博之 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (20363939)
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Keywords | 蛋白質 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
水が塩基とアルコールの存在下で、よう素、二酸化硫黄と定量的に反応することを測定原理とした新しい脳水分測定法によってこれまで基礎的データを蓄積しほぼ測定系を確立した。その脳水分測定系を用いて、脳浮腫治療薬の投与がラット脳水分量に与える影響を測定しデータを蓄積した。実際の臨床現場で使用されている薬剤を様々な条件下で使用しその水分を測定した。一般的には脳の水分量は文献上約80%程度と報告されているが、我々の測定系での測定でもコントロールとして使用する薬剤非投与のラットにおいては、ほぼ同等の値であった。脳浮腫治療薬であるマンニトールや高張の塩化ナトリウム液投与ラットでも脳水分を測定したが、マンニトールで水分量が80%以下になる等、薬剤による影響を測定系にてとらえることができた。同時に血液ガスデータ、血清浸透圧、脳皮質の水チャネルアクアポリン4(以下AQP4)のウエスタンブロット法によるタンパク定量での発現の確認もおこなった。等張ナトリウム液に3%の塩化ナトリウムを加えたものと15%のマンニトールを加えたものをそれぞれ投与したラットで比較した実験ではAQP4の発現増加と我々の測定系で測定した脳の水分の減少の関連性をマンニトールを投与したラットの検体で見いだすことができた。マンニトールが臨床的に脳浮腫を軽減させる機序の1つとしてAQP4の発現が関与している可能性が示唆された。また障害を受けた脳(凍結損傷を加えた脳)・でも脳の水分、AQP4のウエスタンブロット法によるタンパク定量での発現の確認や免疫染色でのAQP4の確認も行ったがこれらはまだ結果が得られていない。今後もこれらの確認を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)