2007 Fiscal Year Annual Research Report
水チャネル・アクアポリンを標的とした新規脳浮腫治療薬の開発
Project/Area Number |
19791080
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山内 浩揮 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (00448713)
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Keywords | 脳浮腫 / アクアポリン / アストロサイト / 中枢神経 |
Research Abstract |
脳浮腫の発症には,水チャネルであるアクアポリン4(AQP4)が関与していることがわかっており,AQP4の機能を抑制により脳浮腫の進行を制御できると考える。申請者は,AQP4の転写制御に注目し,細胞内情報伝達系であるP38MAPK(mitogen-activated protein kinase)と転写制御因子であるNF-κBがAQP4発現を制御している可能性を発見した。脳浮腫の発生に強く関与するアストロサイト(Ast)の培養系を用いて検討した。培養Astの培養液にP38MAPK阻害薬SB203580あるいはNF-κB阻害薬SN-50,PSI,MG-132の4種薬剤をそれぞれ添加したところ,AQP4の発現は,転写レベル,mRNAレベル,タンパク質レベルで抑制された。特にNF-κBの阻害により発現が強く抑制されたことから,生理的状態におけるAQP4の発現調節に大きく関っている可能性が示唆された。また,in vivo脳浮腫モデルとして,Astに低酸素を負荷し,細胞膨張を観察することを計画した。まず,培養Astを大気圧コントロールチャンバーに置き,低酸素・再酸素化を行ったところ,低酸素時間に応じて細胞傷害が生じることが明らかとなった。さらには,低酸素・再酸素化によりAQP4の発現が増強することが確認できた。今後,培養Astを用いた低酸素・再酸素化によるモデルにおいて,細胞の膨張が実際に生じるかどうかを検討していく必要がある。
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