2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791093
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山本 洋介 Kurume University, 医学部, 助教 (10368954)
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Keywords | 医療 / 周術期管理学 / 分離肺換気 / 低酸素血症 |
Research Abstract |
今回、呼気含有CO2総量測定装置(コズモフラス8100)を一台購入し、以前より所有していたものに加え2台で左右気管支それぞれの呼気終末二酸化炭素分圧、換気量、二酸化炭素排泄量、死腔量を同時に測定できるようにした。 肺外科手術症例を対象として、全身麻酔下に気管支ダブルルーメンチューブで挿管し、仰臥位両肺換気時、側臥位両肺換気時、側臥位片肺換気にして5分おきに30分まで、それぞれ左右気管チューブ呼気終末二酸化炭素等圧、換気量、二酸化炭素総排泄量、死腔量の測定を開始した。仰臥位から仰臥位すると、上位肺では換気量の増加(279mLから322mLへ)が、下位肺では換気量の低下(284mLから254mLへ)と呼気終末二酸化炭素分圧の上昇(33mmHgから36mmHgへ)を認めた。さらに、側臥位片肺換気を行うと、PF比は徐々に低下を認め、15分後にはほぼプラトーとなった。また、側臥位両肺換気時の左右二酸化炭素分圧の差は側臥位片肺換気時の最低Pa02と有意な相関を認めた(r=0.82,p<0.01)。しかし、二酸化炭素排泄量に関しては換気量の影響を受け解析が困難であった。従って、左右気管支の換気量をそれぞれ独立して調節するために人工呼吸器(サーボ900C)を2台用意し、かつ連動して動作するように整備した。さらに、換気量の影響を取り除くため、左右気管支換気量を一定にし、現在計測を開始している。今までのところ、仰臥位から側臥位に体位変換して有意な差がでているのは下位肺の二酸化炭素分圧のみ(41mmHgから44mmHg)である。今後症例を重ねて、引き続き検討する予定である。
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