2008 Fiscal Year Annual Research Report
原発性高蓚酸尿症に対する抗SDH抗体を用いた新しい診断法の開発
Project/Area Number |
19791105
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
永田 仁夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部・附属病院, 助教 (70397397)
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Keywords | SPT / AGT / 原発性高蓚酸尿症1型 / SDH / GR |
Research Abstract |
原発性高蓚酸尿症1型は肝臓細胞内のserine/pyruvate : alanine/glyoxylate aminotransferase(SPT/AGT)の酵素異常によって幼い時期に死に至る疾患であり、酵素法によるSPT/AGT活性の測定によって診断確定されるが、必須の酵素であるGlyoxylate reductase(GR)が発売中止になり、SPT/AGT活性の他の測定法の確立が求められている。本研究の目的は、抗serine dehydratase(SDH)抗体を用いることにより、GRを用いないSPT/AGT測定法を開発し、世界中で使用可能にすることである。 従来のSPT/AGT活性の測定は、L-serineから生じたOH-PyruvateにGRを反応させ測定を行う。我々はSPT/AGTがSerine/Glyoxylate aminotransferase(SGT)活性も併せ持つことを利用し、L-serineから生じたOH-PyruvateにLDHを反応させ測定を行う事を計画した。しかし、ラットにおいてはSDHはL-serineをPyruvateに変化させ、それがLDHと反応するため、SGT活性測定の妨げとなる。そのため抗SDH抗体を用いることによりSDHを不活化し、SGT活性を利用したSPT/AGT測定を可能した。H19年度は一定量の肝臓に抗SDH抗体を反応させた後、Protein G Sepharoseにて反応物質を除去しSDHを不活化した。SDHを不活化した後のSDH活性は2.94μmol/min/g liverから0.45μmol/min/g liverまで低下した。H20年度はこの結果を用いてSPT/AGT活性をSGT活性で測定し、従来のSPTによる測定と直線的に相関があり、SGT活性でもSPT/AGTが測定できる事を証明した。
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