2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791109
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 雅志 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (40379178)
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Keywords | 前立腺癌 / バイオマーカー |
Research Abstract |
現在、前立腺癌の治療法は多様化している。治療法を選択する際、最も重要な指標は癌の病理学的悪性度を示すGleason scoreである。しかし、診断時の生検標本におけるGleason scoreと全摘標本におけるGleason scoreは約30%において異なることが報告されている。また、Gleason scoreは病理医の主観に頼る点が大きく、病理医間で診断が異なる場合もあるため、客観的な評価が可能な前立腺癌の悪性度を示す新規のバイオマーカーが望まれている。 本研究では、新規マーカー遺伝子のメチル化が前立腺癌の病理学的悪性度を反映するかどうかに関して検討を行なった。 cDNA Microarrayより得られた前立腺癌の悪性度を予測する新規バイオマーカー候補遺伝子のプロモーター領域のメチル化をMethylation specific PCR法(MSP)にて解析した。 ホルマリン固定した前立腺全摘標本の癌組織より抽出したDNAを用い、再現性の確認できた13種のプライマーを用いてMSPを施行した。前立腺癌組織における各遺伝子のメチル化の検出率は、0-40%であった。これらの遺伝子は、検出率は低いものの前立腺正常組織においてもメチル化が認められた。悪性度の高い病変と低い病変でメチル化の頻度を検討したが、有意差を認める遺伝子は同定できなかった。また、複数の遺伝子を組み合わせても、悪性度を予測することはできなかった。 本研究の最終目標は、尿などを用いて前立腺癌の病理学的悪性度を予測することであったが、残念ながら現時点まで有用なマーカー候補遺伝子の同定はできなかった。
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