2008 Fiscal Year Annual Research Report
造精機能障害における精巣内細胞間調節機構因子としてのNOの役割と新たなる治療戦略
Project/Area Number |
19791111
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 智基 Kobe University, 医学部・附属病院, 助教 (00432576)
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Keywords | NO / IL |
Research Abstract |
平成20年度における研究成果は以下のとおりである。 18日齢SD雄ラットより精巣を摘出し、セルトリ細胞を精製分離、培養の後、3日目にIL-1β(10ng/ml)刺激を加えた。刺激されたセルトリ細胞より蛋白、mRNAを抽出し、Western Blotting、RT-PCR法を用いて分析した。またIL-1β刺激により活性化が見られたリン酸化蛋白質の阻害剤などを添加し、蛋白、mRNA量の変化についても測定を行った。フローサイトメトリーを用い、セルトリ細胞内の活性酸素濃度、NO濃度の変化について、また細胞培養液内のNO濃度をGriess法により測定した。 セルトリ細胞においてIL-1βはphosphorylated JNKを活性化したが、活性酸素は増加させなかった。IL-1β刺激によりNO濃度が6時間以内に増加を示したが、これらのNO濃度増加はSP600125(JNK阻害剤)添加により阻害された。またIL-1β刺激によりセルトリ細胞内のiNos蛋白、mRNA量は有意に増加し、この増加はSP600125の添加により有意に阻害された。 セルトリ細胞においてIL-1βはJNK経路を活性化し、NO濃度が上昇する。セルトリ細胞におけるNO制御機構の解明は将来的に精子形成障害の治療に貴重な情報を与えることが期待される。
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